【書評】「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである

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本記事では、文系・未経験からIT業界に挑戦しようと考えている方々に向けて、書籍『「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである』(著:菊本久寿、クロスメディア・パブリッシング、2022年12月16日)の書評をお届けします。

本書は、エンジニアを目指す方や、特にスタートアップ企業で活躍したいと考えている方にとって、大変参考になる内容が詰まっています。IT業界の全体像を知るだけでなく、キャリアの築き方やスタートアップで働くメリット・デメリットなどがリアルに解説されており、文系・未経験の方にも具体的なイメージを得やすい一冊です。

ぜひ、ご自身のITキャリア形成のヒントとしてお役立てください。

1. 書籍の概要

1.1 タイトル

『「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである』

1.2 著者・出版社

  • 著者:菊本 久寿(きくもと ひさし)
  • 出版社:クロスメディア・パブリッシング
  • 出版日:2022年12月16日

著者の菊本氏は、自らもスタートアップ企業でエンジニアとして活躍し、多角的なキャリアを築いてきた経験を持つ人物です。スタートアップの経営やエンジニアとしての経験を踏まえ、「なぜスタートアップでエンジニアをやることが最高なのか」を多角的に解説しています。

1.3 本書が取り扱う主な内容

本書のメインテーマは「エンジニアとしてスタートアップで働くことが、なぜ魅力的なのか」という点です。具体的には、以下のようなトピックが扱われています。

  1. スタートアップとは何か
    どのような企業がスタートアップと呼ばれ、どんな特徴を持つのか。また大企業との違いや、スタートアップの立ち上がりから拡大までの流れが解説されています。
  2. エンジニアとしての成長機会
    スタートアップでエンジニアをするメリットとして挙げられるのが、成長機会の多さです。本書では、実際に著者が体験してきた事例や、仲間から聞いた話も交えて、どのようにエンジニアとしてキャリアアップできるのかを具体的に語っています。
  3. スタートアップが求める人材像
    スタートアップはスピード感のある働き方や、自ら課題を見つけて行動する力が求められます。本書では、スタートアップで活躍するエンジニアに求められるスキルやマインドセットが解説されており、特に文系出身であっても取り組みやすい姿勢や学習方法などについても言及があります。
  4. 未来のキャリアパス
    スタートアップでエンジニアとして経験を積んだ後のキャリアパスや、より上流工程へシフトしていく可能性なども紹介されています。「スタートアップ=安定しない」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、その先にある多様なキャリアの広がりについても触れられています。

1.4 本書の特徴

本書の最大の特徴は、「エンジニア×スタートアップ」で歩むキャリアの魅力が具体的な事例とともに語られている点です。著者が自ら体験した成功や失敗談、周囲の仲間のリアルな声などがふんだんに盛り込まれているため、単なる理論書で終わらない説得力があります。また、スタートアップやエンジニアリングの基礎知識がない方でも理解しやすいよう、難しい用語や技術的な説明はできるだけ噛み砕いて紹介されています。そのため、「文系だけど、IT業界に興味がある」「未経験だけど、スタートアップでエンジニアとして働けるの?」といった疑問を持つ方にも、一歩を踏み出すきっかけを与えてくれるでしょう。


2. おすすめポイント

2.1 スタートアップで働く魅力がリアルに理解できる

本書の一番の魅力は、スタートアップで働くことのリアルがよくわかる点です。新しいサービスをゼロから立ち上げる瞬間や、チームで一丸となってプロダクトを磨き上げる過程で、エンジニアがどのように活躍し、どんなやりがいや苦労を味わうのかが紹介されています。大企業との比較も交えながら解説されているため、スタートアップに対して持ちやすい不安や先入観を払拭できるでしょう。

2.2 エンジニアとしてのキャリアパスが明確になる

文系・未経験の方からすると、「エンジニアとしてのキャリアはどんな風に広がるのか」イメージが湧きにくいかもしれません。本書では、スタートアップでエンジニアを始めることで得られる幅広いスキルセットや、プロダクト開発だけに留まらない役割などが具体的に描かれています。プロジェクトリーダーやCTO(最高技術責任者)といったポジションへのステップアップだけでなく、自分自身が起業する選択肢まで含め、さまざまなキャリアパスの可能性が示されている点は本書の大きな魅力です。

2.3 文系出身や未経験者にも分かるような丁寧な解説

スタートアップやIT業界において使用される用語は、初学者には馴染みが薄いことが多いです。しかし、本書ではなるべく専門用語を丁寧に解説しているため、門外漢でも読み進めやすくなっています。特に、プログラミング経験がない方や、そもそも「IT業界って何をしているの?」という疑問を抱いている方にとっても安心感があります。体験談やエピソードを軸にしているため、自分の将来像を具体的にイメージしやすい構成になっているのもポイントです。

2.4 スタートアップの文化や価値観が学べる

スタートアップは、新たなビジネスモデルや革新的なサービスの創出に挑戦し続ける文化を持ちます。それが大企業とは異なる醍醐味でもあります。本書では、スタートアップならではのスピード感、失敗を恐れずに挑戦する精神、フラットな組織文化などが多面的に語られています。これらの要素は、文系・未経験からエンジニアを目指すうえでも参考になるはずです。変化を恐れずに行動する姿勢が、IT業界で生き残るために重要な武器になることを教えてくれます。

3. 文系・未経験からのIT就活への活かし方

3.1 自分の強みを活かしたキャリアプランを描く

文系・未経験の方がIT業界を目指す際に重要なのは、自分の強みをどのように活かすかです。本書を読むことで、「エンジニア=理系出身」という固定概念を取り払い、文系出身者でも論理的思考やコミュニケーション力を活かせる環境がスタートアップには多いことに気づけるでしょう。自社のサービスやプロダクトを成長させるためのマーケティング視点や、ユーザーファーストの考え方は、むしろ文系出身者が持つ感性や言語能力が強みとして活かせる部分でもあります。本書で語られるエンジニアの仕事と照らし合わせながら、自分なら何ができるかを考えてみましょう。

3.2 スタートアップの現場で必要とされるマインドセットを知る

スタートアップでは、日々生まれる課題や新機能の開発ニーズに対して、スピーディーに対応していく必要があります。本書を読むと、スタートアップで必要とされるマインドセット――失敗を恐れずにトライし続ける姿勢、チームと密にコミュニケーションを取りながら課題を解決する柔軟さ――が具体的にイメージできるでしょう。文系・未経験の方がIT就活をする際は、技術力の習得はもちろん大切ですが、「行動力」や「主体性」の有無が大きく評価されることを知ることも重要です。本書の事例を参考に、普段の学習やアルバイト、サークル活動などの中で主体的に動いた経験をアピールできるように準備しましょう。

3.3 プログラミング学習の取り組み方をイメージできる

「エンジニアとしてキャリアを積む」と言っても、最初はプログラミング言語の選び方や学習方法を迷う方が多いでしょう。本書では、エンジニアがプロジェクトの中でどのようにコードを書き、問題を解決しているかが語られています。これを読み解くことで、自分の学習目的や、どんなサービスを作りたいかに応じて言語や開発環境を選ぶヒントが得られるはずです。文系・未経験の方ほど、まずは簡単なプログラミングから始めてみて、小さな成功体験を積み上げることが大切です。本書の事例を参考に、スタートアップが現場でどのような技術を使っているかを知ることで、勉強のモチベーションも高まるでしょう。

3.4 将来ビジョンを広く捉えるきっかけをつかむ

「ITエンジニア=プログラミングだけ」というイメージを持ちがちですが、本書を読むとその視野が大きく広がります。スタートアップに身を置くことで、幅広い職種の業務に関わり、ビジネス全体を俯瞰しながら成長していく機会が多いのです。将来的に起業や独立を考える場合にも、このような環境での経験はかけがえのない財産となるでしょう。文系・未経験からIT業界に飛び込む方こそ、「キャリアの選択肢は意外とたくさんある」という気づきを得やすいです。本書を通じて、エンジニアとしてのキャリアパスだけでなく、将来どういった生き方をしたいのか、自分なりのビジョンを描いてみてください。

4. まとめ

本書『「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである』は、スタートアップでエンジニアとして働くリアルな魅力を知ることができる貴重な一冊です。著者自身の経験に基づいたエピソードが多数盛り込まれており、スタートアップのスピード感や組織文化、エンジニアとしての成長機会などを具体的にイメージできます。さらに、文系・未経験の方にとっては、「理系出身や経験者だけがエンジニアになれるわけではない」という安心感を得られる内容でもあります。

IT業界、とりわけスタートアップへの就職・転職を考える方にとっては、キャリアパスの可能性やマインドセットを身につけるうえで有益なヒントが満載です。「未経験だから不安」「自分にできることはあるのだろうか」という疑問を持つ方でも、本書を通じて「まずはチャレンジしてみよう」と思えるきっかけが得られるでしょう。

本書を読んだ後は、プログラミングに限らず、自分の興味を持った技術や領域を掘り下げて学習しながら、実際のスタートアップ企業の採用情報をチェックしてみることがおすすめです。自分の強みとスタートアップのニーズがマッチする瞬間は意外と多く、そこが“最高のキャリア”への第一歩となるはずです。ぜひ本書を活用して、IT業界への扉を力強く開いてください。きっと、想像以上に面白い世界が待っています。

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