【書評】ITエンジニア働き方超大全 就職・転職からフリーランス、起業まで

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本記事は、文系・未経験からIT業界を目指す方々に向けた情報サイト「文系・未経験からのIT就活.com」が、書籍『ITエンジニア働き方超大全 就職・転職からフリーランス、起業まで』(著:小野 歩、出版社:日経BP)をレビューするものです。

本書が提供する情報や特徴を、文系・未経験の皆さまに有用な観点からまとめました。ぜひ就職活動やキャリア形成に役立てていただければ幸いです。

1. 書籍の概要

1.1 タイトル

『ITエンジニア働き方超大全 就職・転職からフリーランス、起業まで』

1.2 著者・出版社

  • 著者:小野 歩(おの・あゆむ)
  • 出版社:日経BP

小野 歩氏は、IT業界でエンジニアとしての現場経験を積みながら、企業でのマネジメントや人材育成、さらには起業など多角的なキャリアを築いてきた人物です。技術的な知識だけでなく、ビジネスやマネジメントなど多様な分野に精通しており、その経験を踏まえたキャリアアドバイスには多くのファンがいます。

1.3 本書が取り扱う主な内容

本書の主な内容は、ITエンジニアとしての働き方を包括的に整理し、読者のフェーズや志向に合わせたキャリアプランを提案するものです。具体的には、以下のようなトピックが取り上げられています。

  1. ITエンジニアの職種・役割の多様性
    • フロントエンドエンジニア
    • サーバサイドエンジニア
    • インフラエンジニア
    • データサイエンティスト
    • AI・機械学習エンジニア など
  2. エンジニアのキャリアステージ
    • 就職・転職時のポイント
    • キャリアアップの方法(技術専門職からマネージャーへ)
    • フリーランスとしての働き方
    • 起業という選択肢
  3. IT業界の最新動向や必要スキル
    • クラウド、AI、ビッグデータなど、今後も需要の高い分野
    • 組織内で重宝されるコミュニケーション能力やビジネススキル
  4. 働き方の多様化とライフスタイル
    • リモートワーク
    • 副業・複業の可能性
    • ワークライフバランスの取り方

文系・未経験の方にとっては、IT業界と一口に言っても「何をどう学んで、どのような職種に進めばよいのか」「エンジニアと言っても実際にどのような働き方があるのか」がイメージしづらい部分があります。本書では幅広い職種やキャリアパスを具体的に紹介しているため、そんな「わからない」をクリアにしてくれる内容となっています。

1.4 本書の特徴

本書の大きな特徴は、「広い視野でITエンジニアのキャリアを捉えている」点です。就職や転職などの情報だけに留まらず、フリーランス・起業といった選択肢まで網羅し、読者の「今後やりたいこと」に合わせて参考になる構成になっています。また、具体的な事例が数多く挙げられているため、IT業界初心者や文系出身の方でもイメージがしやすいのも魅力の一つです。さらに、働き方の選択肢が増える一方で見落としがちな、仕事とプライベートの両立方法、資格や学習方法、マインドセットに関するアドバイスなども充実しており、「これからIT業界でどのように働いていくか」を総合的に見通すことができます。

2. おすすめポイント

2.1 働き方の最新トレンドを俯瞰できる

IT業界は技術進歩が早いだけでなく、働き方や雇用形態も日々変化しています。リモートワークの普及や副業解禁の潮流などに伴い、エンジニアの仕事に対する企業の考え方も大きく変わりつつあります。本書では、その最新トレンドを踏まえて「現時点でどのような働き方が可能か」がまとめられているため、今のうちに押さえておくべきキーワードや注意点を効率的に理解することができます。

2.2 フリーランス・起業に向けた具体的なロードマップ

エンジニアのキャリアでは、フリーランス化や起業といった独立の選択肢もよく取り沙汰されますが、実際に何から準備すればよいのかは分かりづらいもの。本書は、単に「フリーランスになる」「起業する」という情報だけでなく、事前準備・経理・法律関係・営業方法といった具体的なロードマップを提示しているのが強みです。ゼロからの起業体験談なども紹介されており、読者が実際に行動に移す上で大いに参考になります。

2.3 文系でも理解しやすい丁寧な解説

IT技術書はどうしても専門用語やコード例などが多く、敷居が高く感じられがちです。しかし本書では、図解や事例紹介を随所に盛り込みながら、ビジネスやマネジメントの視点を交えた解説を行っています。加えて、文系の方や未経験の方が「まずはどこから学べばいいか」を段階的に示してくれるため、専門用語の理解や学習ステップを明確に掴みやすい構成です。用語解説や参考リンクなども充実しているので、「技術の入り口」はもちろん、「どんな業務フローで動いているのか」「どんなメンバーが携わっているのか」という組織側の視点も合わせて学ぶことができます。

2.4 キャリアの長期的な展望が描きやすい

ITエンジニアとしてのキャリアは、短期的には転職やスキルアップ、中期的にはマネジメント職やフリーランスといった多様なステージがあり、さらに長期的には起業や海外進出なども視野に入るでしょう。本書は、「何年後にはこういう選択肢が広がる」「このスキルを伸ばすとこんな働き方ができる」といった形で長期的な視点を提供してくれます。そのため、自分の理想のライフスタイルや価値観を踏まえて、どのようにスキルを積み上げていくべきかがイメージしやすくなります。単なる就活・転職ガイドではなく、人生の大きな転機における意思決定のヒントとしても役立つ一冊です。

3. 文系・未経験からのIT就活への活かし方

3.1 自分の強みとIT業界のニーズをマッチングさせる

IT業界では技術スキルが重要視される一方、プロジェクトの要件整理や顧客折衝、資料作成など、コミュニケーション能力や文章力が求められる場面も多々あります。文系出身の方は、この「言葉にする力」や「論理的に整理する力」を強みとしてアピールできるでしょう。本書にはエンジニアの職種ごとに必要とされるスキルセットが整理されており、「自分の武器をどう活かせるか?」を考える上で大いに参考になります。

3.2 必要スキルの優先度を把握して学習計画を立てる

ITの世界は幅広く、プログラミング言語だけでも数多く存在します。どの言語から学ぶべきか、ネットワークやインフラについても触れるべきかなど、未経験者には「何から始めればいいのか」が分かりにくいところです。本書では、エンジニアの種類やキャリアゴールに応じた学習優先度が具体的に示されています。文系・未経験の方が基礎固めをする際、どこに注力すればよいのかが分かるため、効率的に学習計画を立てられるでしょう。

3.3 企業が求める人物像やカルチャーフィットを意識する

技術力はもちろん重要ですが、企業が求める人物像やカルチャーフィットを無視していては、就職・転職活動がなかなかうまく進まないこともあります。本書には、実際の企業での採用基準やエンジニアに期待される役割などが具体例とともに紹介されています。特に文系・未経験の方は、面接で自分の強みをどのようにアピールし、企業文化とマッチするかを意識することが成功につながります。そうしたポイントを事前に把握しておくためにも、本書で紹介される事例は非常に役立ちます。

3.4 フリーランスや起業にも目を向け、キャリアの幅を広げる

未経験からいきなりフリーランスや起業を目指すのはハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、長期的なキャリアプランの中で「将来的に独立して働く」という選択肢があるなら、早い段階で意識しておくことは大きなメリットにつながります。本書では、独立・起業に必要な資格や法的手続き、資金繰り、営業のしかたなどが解説されているため、まずは知識として得ておくことで、キャリアの幅を広げることができます。「文系だから無理」と諦める必要はなく、エンジニアとしてのスキルアップと並行してビジネスの基礎を学ぶことで、将来的には多様な選択肢を持ったキャリアを築くことができるでしょう。

4. まとめ

『ITエンジニア働き方超大全 就職・転職からフリーランス、起業まで』は、ITエンジニアとしてのキャリアを多角的かつ具体的に描き出した一冊です。特に文系・未経験の方にとっては、IT業界の実像を知るための入門書として非常に有用な内容が詰まっています。エンジニアの職種や働き方の種類、必要スキル、そしてキャリア形成のポイントが整理されているため、自分がどの分野に興味があるのか、どんなキャリアパスを歩んでいきたいのかを明確にしやすくなるでしょう。

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