以下の記事では、文系・未経験からIT業界への就職を目指す皆さんに向けて、dy moto(戸塚 俊介)氏の著書『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社、2019年8月9日発売)についてご紹介します。
本書は、単に転職や副業のノウハウを語るだけでなく、「これからの働き方はどう変わっていくのか」「なぜ複数の収入源を持つことが重要なのか」といった本質的な問いにも答えています。文系出身でIT業界未経験の方にとって、今後どのようなキャリアパスを描き、自分なりの生産性や価値を高めていけばよいのかを考えるうえで、多くの示唆が得られる一冊です。
本書の内容を踏まえながら、文系・未経験でもIT業界を目指す方がどのように活かせるかを中心に解説していきます。興味を持たれた方は、ぜひ原著を手に取ってみてください。
1. 書籍の概要
1.1 タイトル
『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』
1.2 著者・出版社
- 著者:dy moto(戸塚 俊介)
- 出版社:扶桑社
- 発売日:2019年8月9日
著者のdy moto氏(戸塚 俊介)は、複数のベンチャー企業やプロジェクトに関わりながら、自身が身につけたノウハウをブログや書籍などを通じて発信しています。本書では「会社員としての転職」と「独立系の副業」という2つの柱を“かけ算”することで生涯年収を伸ばすための具体的な戦略やマインドセットが解説されています。
1.3 本書が取り扱う主な内容
本書では「これからの時代は1つの会社で終身雇用を全うするのではなく、複数の収益源を得る働き方が重要になる」という視点から、以下の内容について詳しく語られています。
- 転職と副業を組み合わせる意義
副業をすることが当たり前になりつつある社会の背景や、転職・副業それぞれのメリットとデメリットについての解説。 - 転職の戦略・具体的手順
どのようにキャリアプランを考えて転職をすれば年収アップやキャリアアップにつながるのか、具体的な事例や方法論。 - 副業で稼ぐ方法
ブログ運営、Webマーケティング、フリーランスなど、著者自身が培ってきた副業のノウハウを網羅的に紹介。 - 複数の収入源によるリスク分散
会社都合や景気変動によるリスクを最小化し、自分の市場価値を高めるための考え方。 - スキルの資産化
個人のスキルや実績をどのように蓄積し、さらに新たな価値を生み出すかといったキャリア形成の考え方。
文系出身・IT業界未経験の方にとっては、「今の自分に本当に副業なんてできるのか」「転職して報酬を上げられる可能性はあるのか」など、漠然とした不安があるかもしれません。本書を読めば、実際の手法や考え方が体系的に理解でき、不安が解消されると同時に、新たなキャリアの選択肢を見いだせるはずです。
1.4 本書の特徴
本書の特徴としては、以下の点が挙げられます。
- 個人が“商品”になる時代の戦略がわかる
会社員として働くだけではなく、「自分自身」がブランドや商品になるという考え方が前提にあるため、“個人の立ち回り方”が具体的に学べます。 - 転職と副業の組み合わせによる多角的な視点
一般的な転職本は「年収アップのための転職ノウハウ」止まり、副業本は「副業で成功するための方法論」だけに留まりがち。しかし、本書は両方を包括的に解説することで、“どちらか一方”だけでなく“かけ算”としてのメリットがわかりやすく示されています。 - 著者の実体験に基づく事例が豊富
著者自身が転職を複数回行っており、なおかつブログやコンサルティングで実績をあげた経験を持っています。具体的なエピソードからリアリティのあるノウハウを吸収できる構成です。 - 誰でも実践可能なステップバイステップ
ゼロからキャリア構築を考える人にもわかりやすいように、「市場価値の高い職種を狙う」「情報発信を継続する」など、段階的に取り組めるヒントが多数提示されています。
2. おすすめポイント
2.1 転職×副業で収益源を分散し、安定とリスク分散を両立
近年、企業の寿命や雇用形態の変化により、1社に勤め続けることが必ずしも安定を意味しなくなっています。本書では、転職と副業の“2本柱”による収入源の分散が、多くのリスクに備えるために有効であると説いています。たとえ転職先で環境が合わずに思うような成果が出せなくても、副業があることで心の余裕が持てる利点も。本業と副業、それぞれのメリットを最大限に活かす戦略は、これからの「不確実性の高い時代」において非常に役立つでしょう。
2.2 自分の市場価値を見極める具体的な方法が提示される
本書で繰り返し強調されるのが、「自分の市場価値を高めること」です。自己分析のやり方から、成長市場となる業界の見極め方、さらに企業側が求める人材と自分のスキルをどうマッチングさせるかまで、論理的に解説されています。文系でIT未経験の方でも、まずは「自分に何ができるのか」「どんな強みがあるのか」を言語化する大切さを学び、さらに必要なスキルを身につけるためにどう行動すべきかが整理できるでしょう。
2.3:副業のはじめ方が体系的にわかる
副業というと、「何から始めていいかわからない」「時間がなくてできない」と思いがちです。本書では、筆者自身の経験をもとに、まずは「小さく始める」ことの大切さを説いています。たとえば、ブログやSNSを活用した情報発信、クラウドソーシングでの業務受注など、低リスクで小さくスタートして成果を積み上げていく方法論が具体的に紹介されています。文系出身であっても、ライティング力やコミュニケーション力を活かして取り組める分野は多いため、「自分にもできるかもしれない」と思えるでしょう。
2.4 時間管理やモチベーション維持のポイントが豊富
副業をする上では、時間管理やモチベーション維持が大きな壁になりがちです。著者は転職や副業を複数回こなしながら結果を出してきた経験から、時間の使い方や目標設定の工夫、さらに「やり抜くための仕組みづくり」の重要性を具体例とともに説明しています。特に、今後IT企業で働きながら副業も考えていきたい方にとっては、並行して複数のプロジェクトをこなす際の参考になる情報が満載です。
3. 文系・未経験からのIT就活への活かし方
ここでは、本書の内容を踏まえて「文系出身・未経験の方がどのようにIT就活やその後のキャリア形成に活かせるか」を4つの視点でご紹介します。
3.1 ITの基礎スキルを「投資」と捉え、副業を通じて経験値を積む
文系出身者がIT業界を目指すとき、プログラミングやネットワークなどの技術スキルにハードルを感じることも多いでしょう。しかし、本書で強調されるように、「学ぶこと=自己投資」という視点を持つと、スキルアップは長期的なリターンに繋がります。最初は独学やオンラインスクールで基礎を習得し、副業としてクラウドソーシングで簡単な開発案件やWeb制作案件を受けてみる。実務に触れることで、未経験者でも少しずつ実績を積み上げられます。こうした実績が転職や本業就職時に生きてきます。
3.2 文系の強みを活かす「複合スキル」で差別化
IT業界では、エンジニアリングだけが求められているわけではありません。企画、マーケティング、セールス、ライティング、デザインなど、多様なポジションや業務が存在します。文系の方が身につけてきた「言語運用能力」「コミュニケーション能力」「情報整理力」などは、ITプロジェクトの要件定義やクライアント折衝、コンテンツ企画などで強みを発揮できます。本書が示すように、「自分の市場価値」を高めるには、エンジニアスキルと文系スキルを掛け合わせた複合的な人材になることが効果的です。副業や自己研鑽を通じて、多方面の経験を積みながら自分ならではの“かけ算”を作りましょう。
3.3 転職×副業でキャリアの選択肢を広げる
未経験からIT業界へ飛び込む際、最初は見習いやアシスタント的なポジションからスタートする場合もあります。しかし、本書で提案されているように、副業を並行して行うことで、“ダブルキャリア”を目指すことが可能になります。たとえば、平日はIT企業で学びながら土日はライティングやSNS運用の副業を実践すれば、業界知識やスキルを相互に高め合うことができます。転職の機会を見つける際も、既に副業での実績があれば、企業側に自分のポテンシャルを示しやすくなるでしょう。
3.4 IT業界での経験を活かし、将来的には自分のサービスを展開
IT業界で身につけたスキルや人脈は、将来自分で何かを起業したり、オンラインサービスを展開したりする際にも有利にはたらきます。本書で繰り返される「個人がブランドとなる時代」「複数の収益源を持つ働き方」という考え方は、IT企業での業務経験をさらに発展させるうえでも大きな指針になるでしょう。副業で企画・開発・運営のノウハウを少しずつ積んでおき、いざ独立したいと思ったときにスムーズに移行できる、というのが転職×副業の“かけ算”的キャリアの魅力です。
4. まとめ
『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』は、現代の働き方が多様化する中で、会社に依存せず個人で稼ぐ力を培うために必読の一冊です。特に、文系出身・未経験でIT業界にチャレンジしようという方は、転職と副業を両輪にしてキャリアを築くという発想から多くの示唆を得られます。
本書を通じて得られる最大の学びは、「キャリアの選択肢は自分次第でいくらでも広げられる」という考え方です。企業がどのようなスキルを求めているのか、自分は何を武器にしていくのかを整理することで、IT業界をはじめとする成長分野でのキャリアアップが実現しやすくなります。転職×副業の相乗効果を意識しながら、皆さんの目指すゴールや理想のライフスタイルをぜひ追求してみてください。自分の市場価値を高めるための第一歩として、本書の具体的なノウハウと戦略を活用していただければ幸いです。