【書評】「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本

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本記事では、「文系・未経験からITコンサルを志望している就活生」の皆さんに向けて、書籍『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』の書評をまとめました。本書は、コンサル業界のリアルや就活・キャリア形成のヒントを網羅的に解説していますが、とりわけITコンサルを目指す皆さんにとっても、問題解決思考やロジカルシンキング、ケース面接対策など多くの学びを得られる一冊です。以下の4つのセクションに分けて、本書の概要と特徴、おすすめポイント、ITコンサル就活への活かし方、そして最後にまとめをお届けします。

1. 書籍の概要

1.1 タイトル

『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』

1.2 著者・出版社

  • 著者:久留須 親
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 発行予定日:2024年03月14日頃

著者の久留須氏は、国内外のコンサルティングファームで幅広い経験を積んできた実務家です。さまざまな企業や業界に向けて課題解決や戦略提案を行ってきたほか、採用担当としても多くの応募者を見てきた実績があります。そうした経験をもとに執筆された本書は、「コンサル業界の現場感」を知りたい方にとっても大きな助けとなるでしょう。

1.3 本書が取り扱う主な内容

  1. コンサルティングファームの基礎知識
    • コンサルティング業界のビジネスモデル・組織構造
    • 実際のプロジェクト事例やコンサルタントの働き方
  2. 求められるスキルと資質
    • 論理的思考力、課題発見・解決能力、コミュニケーション力
    • これらを高める具体的なトレーニング方法
  3. コンサルティングファームへの就職活動の進め方
    • 書類選考のポイント、面接・ケース面接対策
    • グループディスカッション(GD)の基礎知識と心構え
  4. 入社後のキャリアパス
    • コンサルタントとしての成長過程や担当する案件の種類
    • コンサルを経て起業、経営幹部候補へ転身、専門領域を深めるなど多彩なキャリア例

1.4 本書の特徴

  1. 豊富なケーススタディ
    著者の実務経験に基づく実例や、ケース面接で問われるような課題設定が多数登場。問題を自分で解きながら読み進めることで、論理的な思考プロセスが鍛えられます。
  2. 採用担当者の視点を公開
    採用担当として多くの候補者を見てきたからこそ書ける「合否を分ける要素」や「面接で見られていること」が明確に示されています。就活生目線の疑問にも丁寧に答えてくれます。
  3. キャリアの先まで見据えた情報
    コンサル業界の中でも、ITコンサル、戦略コンサル、総合系、専門系など活躍できる分野は多彩。本書には、“コンサル卒業後”のキャリア展望も含めて解説されているので、長期的なビジョンを描きやすくなります。
  4. 初心者でも理解できる用語解説
    フレームワークの基礎やコンサル特有のビジネス用語が、図解や具体例を交えて優しく解説されています。ITコンサルを志望している方が「横文字が多すぎて難しい…」と感じるハードルを下げてくれるでしょう。

2. おすすめポイント(4つ)

ここからは、ITコンサルを志望する就活生にとって魅力的なポイントを4つに分けてご紹介します。

  1. 問題解決のプロセスを段階的に学べる
    ITコンサルの仕事は、クライアント企業の課題を技術的・ビジネス的両面から解決へ導くこと。本書では課題設定から論点整理、仮説検証、プレゼンテーションに至るまで、問題解決のプロセスが丁寧に解説されています。論理展開の基礎をしっかり押さえることで、「ITの知識+コンサルの考え方」をバランスよく身につけられるはずです。
  2. ロジカルシンキングの強化
    コンサルにおいてはMECE(漏れなくダブりなく)の概念など、論理的思考力が欠かせません。本書はフレームワークの紹介だけでなく、活用事例やケーススタディを通じた実践的な学びを提供してくれます。ITコンサルにおいても、新規サービスの導入計画やDX推進など、複雑な課題を整理する際にロジカルシンキングが大いに活かされます。
  3. 面接・ケース問題への実践的対策
    多くのコンサルファームでは、ケース面接やグループディスカッションが選考の山場となります。本書では、そのケース問題へのアプローチ方法や、解答プロセスのポイントを具体的に示しています。ITコンサルの選考でも、技術的視点とビジネス視点の両方を求められることが増えていますから、本書のケース対策ノウハウを自分なりに応用しやすいでしょう。
  4. キャリアデザインの参考になる
    ITコンサルの世界も、ファームによって得意分野やキャリアパスはさまざまです。本書は業界全体の構造だけでなく、コンサルタントとしての成長プロセスや、その後の選択肢(起業、転職、専門特化など)についても具体例が書かれているため、「数年後・数十年後をどう描くか」を考えるうえでヒントが満載です。

3. 文系・未経験からのITコンサル就活への活かし方(4つ)

ITコンサルは、ビジネスとテクノロジーの接点で課題解決を行う仕事です。必ずしも理系出身やプログラミング経験者でなければならないわけではありません。文系・未経験の方も、ここでご紹介するポイントを踏まえて就活準備を進めることで、選考を有利に展開できるでしょう。

  1. コンサル的課題解決力をアピール
    「技術に詳しくないから不利」と考える方もいるかもしれませんが、ITコンサルでは企業の課題を整理し、ビジネス上のゴールに向けてテクノロジーを活用する能力が求められます。本書で学んだ“課題解決のプロセス”を自分の言葉に置き換え、面接やESでアピールしてみてください。ITに関する知識は後からでも補強できますが、問題解決の思考プロセスはすぐに応用できる強みとなります。
  2. ロジカルシンキングで技術的理解を深める
    ITコンサルの現場では、“仕組みを理解し、ビジネス的な価値を創出する”ことが重要。本書で紹介されているMECEやロジックツリーといったフレームワークを使えば、難しい技術要素を分解しながら要点を整理する訓練ができます。特に文系出身者はこうした思考ツールを活用することで、短期間で基礎知識をしっかりと身につけることが可能になるでしょう。
  3. ケース面接・グループワークの思考プロセスを実践
    ITコンサルの選考でも、「クライアントのシステム導入提案を考えてください」などのビジネス+テクノロジー要素が絡むケース問題が出題されることがあります。本書で学んだフレームワークを自分なりに改変しつつ、どのように論点を整理するか、どんな情報を優先的に収集するか、といった“思考の筋道”を繰り返しトレーニングしましょう。
  4. 自己分析とキャリアプラン設計へのフレームワーク活用
    文系・未経験であっても、自分の強みをバラバラに語るだけでは説得力が弱いです。本書にある「SWOT分析」「ロジックツリー」を活用しながら、「自分がなぜITコンサルを選ぶのか」「どんな成長イメージがあるのか」を論理的にまとめましょう。企業に対して“緻密な思考と長期的視野を持っている人”と印象づけられれば、未経験であっても高く評価される可能性が高まります。

4. まとめ

ITコンサルは、テクノロジーとビジネスの橋渡しをする「課題解決のエキスパート」です。文系・未経験の方であっても、論理的思考力やコミュニケーション力を軸に学習を積み重ねれば、十分に活躍のチャンスがあります。

『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』は、コンサル業界の概要と選考対策から、プロジェクトの進め方やキャリアパスまでを一括で学べる一冊です。ITコンサル志望の就活生にとっては、コンサルならではの問題解決型思考やケース対策のエッセンスを効率よく吸収できる良い機会になるでしょう。

本書で紹介されているフレームワークや思考プロセスを、企業研究やケース面接対策はもちろん、将来のキャリアデザインにも活かしてみてください。ITコンサルへの道のりは決して簡単ではありませんが、“論理的思考”と“問題解決への熱意”をアピールできれば、企業に「この人はポテンシャルが高い」と感じてもらえるはずです。ぜひ本書を参考に、自分の考え方や強みをブラッシュアップしつつ、ITコンサルの世界へ踏み出してみてください。ーチやフレームワークを活用することで、課題解決型の人材として活躍の場を広げることができます。文系・未経験からIT就活に挑む際の“思考の土台づくり”に、本書は絶好のガイドブックとなってくれるでしょう。ぜひ一度、手に取ってみてください。

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