みなさん、IT業界でよく耳にする「SCM」ってご存知ですか？
文系出身でITに未経験の方も、このキーワードを知っておくと面接でのアピールポイントになるかもしれませんよ！
SCMとは
SCMは「サプライチェーンマネジメント」の略称で、商品の原料調達から製造、配送、販売に至る一連の流れを効率的に管理し、コスト削減や顧客満足度の向上を図る経営戦略です。
このプロセスには多くの企業や部署が関わり、複雑な調整が必要になります。IT技術はこの複雑な流れをシームレスにし、リアルタイムでの調整を可能にするために不可欠です。
なぜSCMが重要なのか
グローバル化が進む現代では、製品やサービスの提供過程はより複雑化しています。
SCMはこの複雑化したサプライチェーンを効率良く管理し、企業の競争力を高めるために中核的な役割を果たします。
適切なSCMは、市場での迅速な対応、リスクの低減、顧客満足度の向上に直結し、企業の成長に不可欠です。
SCM導入のメリット
SCM導入のメリットを分かりやすく5つにまとめてご紹介します。
コスト削減
SCMを導入することで、在庫管理が最適化され、不必要な在庫を削減することが可能になります。また、生産計画の効率化により、製造コストの削減にも繋がります。物流コストも、最適なルート選定や貨物の集約によって低減されます。
納期の短縮
サプライチェーンを通じた情報のリアルタイム共有により、生産スケジュールの調整や納品プロセスが迅速化されます。これにより、顧客への納品納期が短縮され、顧客満足度を高めることができます。
リスク管理の強化
市場の変動や供給網の障害に対するリスクを、SCMによる先読みと迅速な対応で最小限に抑えることができます。さまざまなシナリオを想定した計画を立てることで、予期せぬ事態が発生した際の影響を軽減します。
顧客サービスの向上
SCMにより、顧客のニーズに応じた製品やサービスをタイムリーに提供することができます。また、顧客からのフィードバックを迅速に製品開発や改善に反映させることで、顧客との関係を強化できます。
意思決定の質の向上
SCMシステムによって得られる大量のデータと分析ツールを使用することで、より正確で効果的な意思決定を行うことができます。これにより、市場の変化に迅速に対応し、ビジネスチャンスを最大限に活用することが可能です。
SIerでのSCMに関する業務内容
システムインテグレーター（SIer）でのSCM（サプライチェーンマネジメント）に関する業務内容は多岐にわたります。以下に、その主な業務内容を示します。
システム導入・カスタマイズ
顧客企業のニーズに応じたSCMシステムの導入とカスタマイズを行います。これには、企業の既存プロセスを分析し、最適なソリューションの提案から、実際のシステム設計、開発、実装が含まれます。
プロセス改善
SCMに関連する企業のビジネスプロセスを効率化し、最適化するためのコンサルティングを提供します。これにより、在庫管理の改善、リードタイムの短縮、コスト削減などの成果を出すことが目標です。
インテグレーション
異なる業務用アプリケーションや情報システムを統合し、シームレスなデータの流れと情報の可視化を実現します。これは、SCMの中核を成すERP（Enterprise Resource Planning）システム、WMS（Warehouse Management System）、TMS（Transportation Management System）などとの連携を含みます。
データ管理と分析
SCMにおけるデータの収集、管理、分析を行い、サプライチェーン全体のパフォーマンスを向上させます。BI（ビジネスインテリジェンス）ツールの導入やカスタムレポートの作成などを通じて、データ駆動型の意思決定をサポートします。
ユーザーサポートとトレーニング
SCMシステムのエンドユーザーに対するサポートとトレーニングを提供します。これは、新システムの導入後にユーザーがシステムを効果的に活用できるようにするために重要です。
継続的なサポートとメンテナンス
システムの導入後も、継続的なサポートとメンテナンスを行い、システムの最新性を保ち、常に最適なパフォーマンスを維持できるようにします。
最新技術の導入
市場のトレンドや最新技術を把握し、SCMシステムにAI、機械学習、IoTなどの技術を導入することで、より先進的かつ効率的なサプライチェーンの実現を目指します。
主なSCMの製品
SCM（サプライチェーンマネジメント）には、いくつかの主要なソフトウェア製品があり、それぞれ異なる機能や特徴を持っています。以下に、市場で広く認知されている主なSCM製品をいくつか紹介します。
SAP SCM
SAPは、SCM分野におけるリーディングカンパニーで、SAP SCMソリューションは、計画、ネットワーキング、実行、コーディネーションといった広範な機能を提供します。SAPのERPソフトウェアと統合されており、特に大企業での導入が多いです。
Oracle SCM Cloud
オラクルの提供するクラウドベースのSCMソリューションで、需要予測、供給ネットワーク計画、在庫管理、品質管理など幅広いサプライチェーンプロセスをカバーしています。
Infor SCM
Infor SCMは、特に特定の産業に特化した機能を提供することで知られています。ユーザーフレンドリーなインターフェースと業界特有のニーズに対応するカスタマイズが強みです。
JDA Software (現 Blue Yonder)
JDAは、サプライチェーン計画と実行に特化した製品を提供し、特に小売業界に強みを持っています。AIや機械学習を活用して最適な在庫管理と再補充プロセスを提供します。
Manhattan Associates
マンハッタンアソシエイツは、SCMとオムニチャネルソリューションに特化しています。特に倉庫管理と輸送管理の機能が強く、高度なロジスティクスオペレーションに対応しています。
Epicor SCM
Epicorは、中小企業向けにフレキシブルで拡張性の高いSCMソリューションを提供しています。製造業を中心に、分散型サプライチェーンを効率的に管理するためのツールを搭載しています。
HighJump
HighJumpは、倉庫管理システム（WMS）に特化したソリューションを提供しており、倉庫の効率化を図るための高度な機能を有しています。
まとめ
SCMの概要から具体的な製品名までご紹介しました。
SIerはSCM導入の初期段階から継続的なサポートまで、幅広い業務を担当します。
もし、SCMに興味を持ったらぜひ詳細を調べてみてくださいね！